燈籠大臣とは平清盛の長子・平重盛のことである。『平家物語』によれば、信心深い重盛は、東山の麓に48間の御堂を建てて、1間に1つずつ計48の燈籠をかけた。毎月14日、15日には美しい女房たちを集めて念仏を唱えさせ、自らもその中に入って願をかけたので、人々は彼を燈籠大臣と呼んだという。 本作品において、青邨は念仏を唱える重盛をやや斜め後方から捉えており、父清盛とは対照的に温厚な人格者であったと伝えられる重盛を、理知的な雰囲気を湛えた人物として描いている。前景右手には、華やかな装飾の施された柱を配し、床に散る散華の花びらとともに、まるで極楽浄土のようだと形容された御堂内の壮麗かつ清雅な様子を演出している。
燈籠大臣とは平清盛の長子・平重盛のことである。『平家物語』によれば、信心深い重盛は、東山の麓に48間の御堂を建てて、1間に1つずつ計48の燈籠をかけた。毎月14日、15日には美しい女房たちを集めて念仏を唱えさせ、自らもその中に入って願をかけたので、人々は彼を燈籠大臣と呼んだという。
本作品において、青邨は念仏を唱える重盛をやや斜め後方から捉えており、父清盛とは対照的に温厚な人格者であったと伝えられる重盛を、理知的な雰囲気を湛えた人物として描いている。前景右手には、華やかな装飾の施された柱を配し、床に散る散華の花びらとともに、まるで極楽浄土のようだと形容された御堂内の壮麗かつ清雅な様子を演出している。