伊豆市所蔵美術品デジタルミュージア
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忠度訪俊成 [ただのりしゅんぜいをとう]

員数:
1幅 
制作年:
大正5年頃 
材質:
軸・絹・着色 
サイズ:
127.4cm × 42.7cm 
落款:
 
箱書・表:
 
箱書・裏:
 
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 平忠度(1144-1184)は、平忠盛の七男で清盛の弟。武芸もさることながら、和歌にも優れた人物であった。『平家物語』巻7第15の「都落ち」の段には、寿永2年(1183)7月、一門とともに西海に向かった忠度が途中引き返し、歌道の師藤原俊成を邸に訪ねて自分の秀歌を収めた巻物を託したという話が伝えられている。本図は、この物語の忠度と俊成の対画を描いたもの。あざやかな装束で邸の門前に立つ忠度に対し、俊成は開かれた門に衣の袖と杖を覗かせるのみで示され、人目を忍んだ対面の緊張感が示されている。それはまた縦長の画面に物語の内容を凝縮して表わすための構図の工夫によるものであろう。画面上方には、塀の上の木立や霞が淡い墨を主体として描かれ、静かな夜半の空気を伝えている。全体を高い視点から捉えた俯瞰構図、濃彩による人物表現、上部にすやり霞や金泥の月を配する手法は、大和絵の伝統によっているが、墨を併用することによって情趣を高めている点に、靫彦の古典に対する新たな姿勢も窺われる。


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