伊豆市所蔵美術品デジタルミュージア
ム

柿 [かき]

員数:
6曲1隻 
制作年:
昭和9年 
材質:
屏・紙・着色 
サイズ:
175.3cm × 396.0cm 
落款:
 
箱書・表:
 
箱書・裏:
 
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 昭和9年の第21回院展に「柿の秋」の題で入選した作品。当時、雑誌に掲載された淘綾の談によると、小田急線沿線の柿生(かきお)村には数百年を経た柿の老木が無数にあるが、なかでも“禅寺丸柿”という素朴な柿の老木に惹かれ、2,3年続けて秋ごとに通いスケッチしたもので、柿もぎの籠を添えて構図に野趣を漂わせるよう工夫したという。
 6曲1隻の屏風には、赤く色づいた葉や柿実をつけた樹枝が画面いっぱいに描かれている。その黒々と屈曲した枝の線からは、老木の風格と生命力が感じられる華やかで力強い作品である。