昭和5年の第17回院展に出品され、勝利の院展初入選となった記念すべき作品。 6曲1隻の屏風には、竹を組んだ棚にみずみずしい緑色の葡萄が蔓を這わせるさまが描かれる。洋画を想わせる色彩と写実的な表現に加え、日本画の装飾性を取り入れた大胆な構図が目を引く。一時期洋画に転向した勝利は、美を外に求める洋画より、象徴的なものの中に美を求める日本画に惹かれるとして、再び日本画の道に戻り、本図を制作したことから、入選の喜びはひとしおであったようだ。当時、新聞に掲載された勝利の談によると、昭和4年の夏、井戸ヶ谷の福本葡萄園で構図の研究を続け、翌5年5月中旬から8月29日の展覧会締切日正午までかかって仕上げたという。
昭和5年の第17回院展に出品され、勝利の院展初入選となった記念すべき作品。
6曲1隻の屏風には、竹を組んだ棚にみずみずしい緑色の葡萄が蔓を這わせるさまが描かれる。洋画を想わせる色彩と写実的な表現に加え、日本画の装飾性を取り入れた大胆な構図が目を引く。一時期洋画に転向した勝利は、美を外に求める洋画より、象徴的なものの中に美を求める日本画に惹かれるとして、再び日本画の道に戻り、本図を制作したことから、入選の喜びはひとしおであったようだ。当時、新聞に掲載された勝利の談によると、昭和4年の夏、井戸ヶ谷の福本葡萄園で構図の研究を続け、翌5年5月中旬から8月29日の展覧会締切日正午までかかって仕上げたという。